相談事例:マネーセミナー後の無料相談で、FPに言われるがまま契約してしまいました(30歳 女性 既婚)
公開日:
:
最終更新日:2017/01/03
保険相談事例
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。
今日は相談事例を紹介したいと思います。
それにしても、多いですね〜女性をターゲットにした「マネーセミナー詐欺」(と、私は命名しています)
【質問】
保険について疑問があり質問いたしました。
30歳女性既婚、共働きで子供はおりません。
結婚を機に今後の生活設計を考えようとFPのマネーセミナーに出席、その後の無料相談で、FPの経歴や自信に満ち溢れた態度に心を奪われ、その場で言われるがまま保険に契約してしまいました。
1.生命保険:アクサ生命のユニットリンク月1万円
2.個人年金:マニュライフ生命のこだわり個人年金外貨建て 豪ドル月1万円
契約後からモヤモヤした気持ちが拭えず、自分なりに勉強したところ以下の疑問が湧き、保険を解約をすべきか悩んでいます
1.ユニットリンクについて。
FPからは保険の税制上のメリットと、10年で払済みにし、景気の波を越えて好景気の時に解約すればよいと言われました
それならばNISA口座で積立投信のインデックス投資で十分でないか
2.個人年金 豪ドル積立
こちらも10年で払い済みをすすめられました。でも10年で払い済みなら個人年金の意味は…と思っています
豪ドルより米ドルにしておけば…とも思っております。
保険の内容に疑問を覚え、信頼していたFPを全く信用できなくなりました。
今解約してしまい数万円を捨てるべきか、10年で払い済み解約なら得は少なくも損をする事もないのかもと悩んでおります。
【回答】
まず、それぞれの商品についてコメントします。
1.アクサ生命「ユニット・リンク」
この商品はあくまでも死亡保障の付いた「保険」で、保険以外の何ものでもありません。「保険」という機能に一部、「運用」という機能が付いているもので、年齢により、毎月の保険料の約30%〜40%程度が死亡保障としてのコストとしてが差引かれ、残りの約60〜70%が貯蓄・運用に回ります。◯◯さんの場合、月々10,000円の保険料のうち6,000〜7,000円くらいしか積立(貯金)に回っていないわけです。10年後に払済の提案を受けたということは、この商品で「死亡保障」を目的としているのではなく(死亡保障が必要であれば払済にはしないので)お金を殖やすことを重視されているからだと思いますから、その目的においては、今後数十年に掛けてこのコストを支払うのはあまりにもムダです。毎月支払う保険料が運用(貯蓄)にダイレクトに運用に回された方が良いのは明らかですね。
「お金を殖やす」ことを目的としては適した商品ではないにも関わらず、FPと言う名の「保険セールス」はマネーセミナーを開催して特に女性をターゲットにこの商品をモーレツに販売、契約数を大きく伸ばし、後々トラブルになるケースも最近では非常に多くなっています。
*まだどこにもない情報〜アクサ生命「ユニット・リンク」パンフレット内容変更の意味するもの
死亡保障が必要な場合は収入保障保険や定期保険などで準備し、「保障は保障」「貯蓄は貯蓄」で分けてお入りになる方が良いですね。何故、保障と貯蓄を分けて考えるべきなのか?など、ブログで詳しく書いていますので参考にして下さい。
*アクサ生命「ユニット・リンク」の契約理由・第1位【老後資金】・第2位【学資資金】〜それ入っちゃダメです
2.マニュライフ生命「こだわり個人年金」
確定利率の商品や、最低保障された利率の商品においては「円建」よりも「外貨建」の方が利率も良いですし「通貨分散」の意味においてもとても良いわけですが、この商品も、実は
かなりヒドイ商品です
こちらの数字をご覧下さい。
1年目:37%
2年目:65%
3年目:75%
4年目:80%
・
・
17年目:100%
実はこれ
『積立比率』
というものです。この積立比率は30代半ば男性のシミュレーションですが、毎月支払う保険料、すなわち
毎月の積立金額の何%が実際に積立にまわされているかの比率です。
仮に、毎月10,000円を積立たとすると、1年目は3,700円(37%)しか積立にまわっていません。2年目で6,500円(65%)、3年目が7,500円(75%)。
支払った10,000円が100%積立にまわるのは、なんと17年後。。。
これだけ差っ引いてるので、販売する側の手数料(コミッション)も高いわけです。
他にも、パンフレットをよくみると基準積立利率はマニュライフが−1.0%から+1.5%も増減させて良いことになってますから、『場合によっては−1.0%』になる可能性もあります。
*こりゃヒドイ「マニュライフ生命 こだわり個人年金保険」
また、「豪ドルより米ドルに」とのご指摘に関してですが、今の日本の状況を考えればすべての資産を「日本円」だけで持つこと自体がリスクだと思いますので、これからは資産の一部は外貨にし「通貨分散」しておくことはリスク回避として重要であると考えています。◯◯さんが、資産の一部を既にいくつかの通貨でお持ちであれば「豪ドル」の選択肢も悪いものではありませんが、最初の分散先としては世界の基軸通貨である米ドルでお持ちになるべきだと思います。
どちらの商品も、契約前にこれらの説明(ディスクローズ)受けましたか?
恐らくクーリングオフの期間は過ぎているかと思いますので、この契約を破棄する(なかったことにする)方法としてはカスタマーセンターや、生命保険相談所(金融ADR)へ報告してみると良いでしょう。契約までのやり取りが文書などで残っていれば、契約を撤回できる可能性があります。
*苦情はここへ”Go”~「金融ADR(Alternative Dispute Resolution)制度」とは?
いずれにしても、円建だろうがドル建だろうが、日本の保険会社の提供する商品で「お金を殖やす」ことは考えないほうが良いでしょう。
もし、どうしても「国内の商品」という場合は「NISA」よりも「確定拠出年金(401K)」
ただし、殖やすことは期待せず「定期預金」で積立るぐらいで良いでしょう。殖えもしませんが、減りもしません。「税効果」だけで十分です。
*日本国内の商品で老後資金を作るならこれ「個人型確定拠出年金(401K)」
*掛金全額所得控除「確定拠出年金(401K)」の税効果について
これから10年という期間を無駄にするよりは、多少の損失はあっても「解約」された方が良いと思います。何よりも今の「モヤモヤ」とした気持ちで10年も過ごすことの方が、お気持ち的に良くないのではないでしょうか?
お金を「殖やしたい」のであれば「海外積立年金」がオススメです。
「海外積立年金」
・積立金額によって1〜5%のボーナス金利が必ずもらえる
・世界中にある優良な投資先が200以上ある
・積立期間 – 10年、15年、20年、25年から選択可能
・共同名義人が設定可能
・積立開始2年以上経過後は一部引出や支払の一時停止が可能
・通貨の分散
・日本以外の国での資産の保全
*「預金封鎖」と「デノミネーション」
多くのアドバンテージがあります。
Point
できれば、加入前に私のブログを読んで頂けていたら。。。
FPと言う名の「保険セールス」には気をつけて下さいね。
*FPと名乗る「ポジショントーク」に振り回されではダメ!~「ポジショントーク」とは?
*保険セールスから「保険に入らないほうが良い」という選択肢を提案されていますか?
何か疑問に思うことがあればお気軽にご相談下さい。
*http://海外生命保険相談.com/domestic/
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