相談事例:現在4人家族です。私の死亡保障を中心にガン保険や次男の学資保険を考えています(26歳 男性)
公開日:
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最終更新日:2017/05/16
保険相談事例
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。
今回は実際に相談依頼を受けた事例を紹介したいと思います。
非常によくお調べになっている方で、質問内容も具体的になっていますね。
【質問】
お世話になります。
現在、妻32歳、長男2歳、次男0歳の4人家族です。
現在は、長男の学資保険(かんぽ生命、月18,810円、17年払)のみなので、私の死亡保障を中心に、ガン保険や次男の学資保険を考えています。
現在の検討状況は下記の通りです。
Linkx coinsの記事や他のFPさんが説明しないようなことを多く書いて頂いていたので、コメントを頂きたいと思いました。
よろしくお願いいたします。
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■死亡保障(葬儀代)
・プルデンシャル生命、変額終身保険(60歳、月払4,511円、免除付、300万円)
※お墓代は不要。変額のためインフレも対応できる想定。
■死亡保障(収入保障)
・T&Dフィナンシャル生命、家計に優しい収入保障(50歳、年払13,912円、免除付、月額8万円)
※エクセルを作成し、月々の生活費15万円と、高校までの学費(公立)を負担できる金額を算出。
■医療保障
※会社の付加給付が手厚いため、不要と考えているが、ガンを中心として先進医療を受けたい気持ちがあり、先進医療のカバーをどこかで確保したく、下記を検討中。
・オリックス生命、リリーフW(60歳、月払2,696円、150万円)
・損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、Linkx coins(月額500円)
■ガン
・SBI損保、がん保険_自由診療タイプ(がん診断保険金特約を付帯するorしない)
※医療保険参照
※ガンを罹患した際に、抗がん剤やエックス線の治療を受けることに抵抗があるため、先進医療や自由診療をカバーした保険に入りたい。
■学資(次男用)
・オリックス生命、RISE(15年払、月払18,771円、免除なし、560万円)
※返礼率は高くないが、貯金よりはマシで、死亡保障があることから終身保険での用意を検討中。
※月払が18,800円程度にしたい
■老後
・将来的な貯蓄をどのように行うか検討中(現在は、個人型確定拠出年金or投資信託を検討中)
【回答】
では、頂いたご質問への具体的回答の前に、保険加入にあたってのアドバイスです。
まず、生命保険加入にあたっての一般的な考え方として、生命保険の死亡保障というのは、万が一があった場合「誰が、金銭的にどれくらいリスクがあるか?」平たく言えば「誰がどれだけ金銭的に困るのか?」で、加入するべきものです。◯◯さんに万が一があった場合に「どなたが」「どれくらい」金銭的にお困りになるか?ということですね。生命保険は「必要な保障」に「必要な保障金額」「必要な期間」で加入するのが、一番”ムダ”を少なくする方法です。
*生命保険が不必要な人
*「万が一の必要保障額」ってどれくらい?
次に、医療保険やがん保険などの医療系の保険についての考え方については、本当に加入が必要かどうか?日本は高額療養費制度という社会保障制度があり、◯◯さんのお勤めの会社の健保組合の場合、自己負担分は2万円ですね?
保険は損得だけのことではありませんので、医療保険やがん保険に加入していたことで“本当に良かった”という方もいらっしゃいますが、ただでさえ、国の制度によって強制的に毎月保険料を支払っているわけですから、これに加えて民間の保険会社の医療保険に加入するのであれば、それらも踏まえて検討して下さい。医療保険やがん保険は保険会社の非常に儲かる商品で、確率論ではありませんが、殆どの方が支払うよりも受取る金額の方が少なくなっています。
*本当に医療保険が必要?@「高額療養費制度」とは
それでは頂いた質問の回答です。
死亡保障(葬儀代)・プルデンシャル生命、変額終身保険(60歳、月払4,511円、免除付、300万円)※お墓代は不要。変額のためインフレも対応できる想定。
この保険は保障にプラスして「お金を殖やす」という機能が一部ありますが、これはあくまでも死亡保障の付いた「保険」で、保険以外の何ものでもありません。「保険」という機能に一部、「運用」という機能が付いているものですから、毎月の保険料から死亡保障としてのコストとしてが差引かれ、残りが貯蓄(運用)に回ります。更に、その殖やすための貯蓄機能としても、同商品の運用先はわずか6種類しか選択肢がなく、海外のものと比較すればそれほど良い運用は期待出来ないと考えています。
もし、死亡保障が必要な場合は、下記でも検討されている「収入保障保険」や「定期保険」で準備し、老後資金や学資資金など「お金を殖やしたい」という目的でしたら「保障は保障」「貯蓄は貯蓄」で分けて考えたほうが、よりお金を殖やすことが出来ます。
また、皆さんがよく言われる「葬式代」ですが、これは保険セールスが保険を売るための「常套句」です。300万円程度の葬式代(最近はもっと安価でも出来ますが)であれば、26歳という年齢を考えれば、毎月ある程度「積立」ておけば「貯蓄」でじゅうぶん賄える金額かと思います。
死亡保障(収入保障)・T&Dフィナンシャル生命、家計に優しい収入保障(50歳、年払13,912円、免除付、月額8万円)※エクセルを作成し、月々の生活費15万円と、高校までの学費(公立)を負担できる金額を算出。
死亡保障を用意するには「収入保障保険」は良い保険です。同社の商品も良いと思います。
医療保障※会社の付加給付が手厚いため、不要と考えているが、ガンを中心として先進医療を受けたい気持ちがあり、先進医療のカバーをどこかで確保したく、下記を検討中。・オリックス生命、リリーフW(60歳、月払2,696円、150万円)・損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、Linkx coins(月額500円)
上記でも説明の通り、加入されている組合健保では自己負担額は2万円ですから、◯◯さんの場合は特に医療保険は不要かと私も考えます。
次に「先進医療」についても少しご説明しておきます。
多くの方がこの「先進医療」で気にしているのは、非常に高額な治療費となる重粒子線治療や陽子線治療と呼ばれる治療についてです。しかし、この重粒子線治療や陽子線治療は年間3,000件程で、これはがん患者の1%にも満たない数です。その理由としてはそもそも受けられる施設が全国で重粒子線4施設、陽子線治療10施設しかないこと、この治療法をすべてのドクターが”善し”としてススメているわけではないことなどにもよります。また、医療現場では数ヶ月、数年待ちの治療は数多くありますし、◯◯さんが希望されたからといって受けられる治療かどうかは今時点ではわかりません。
*「医療保険」「医療特約」「先進医療特約」とは?
*「生活設計に関するデータ」〜医療編②【がん・脳梗塞・心筋梗塞・先進医療】
これらも踏まえて、加入をされるのであれば「Linkx coins(リンククロスコインズ)」でも良いと思います。
「リリーフW」という商品についてですが、この商品は日本で唯一、解約返戻金のない終身保険が付いた医療保険で、同社の「新Cure」に死亡保障が付いたようなイメージです。払込保険料以上に死亡保険金額が多いので、一見お得のようにも思えますが結局は「掛け捨て医療保険」と「掛け捨て終身保険」それぞれの計算を元にされた商品です。
プルデンシャル「変額終身保険」のところでも記載しましたが、わざわざ掛捨ての終身保険に加入して数百万円の死亡保障を捻出するということでしたら、タンス預金でもそれほど大変な金額ではないと思います。例えば5万円を5年間積立てれば利息が付かなくても300万円になります。ご年齢を考えても5年以内にお亡くなりになることもほとんど考えられませんから、このような保険に加入するくらいでしたら金利が付くもので殖やして行くほうが良いと私は考えます。
*オリックス生命の死亡保障付医療保険「Relief W(リリーフ・ダブル)」
ガン・SBI損保、がん保険_自由診療タイプ(がん診断保険金特約を付帯するorしない)※医療保険参照※ガンを罹患した際に、抗がん剤やエックス線の治療を受けることに抵抗があるため、先進医療や自由診療をカバーした保険に入りたい。
自由診療に関して補償が充実しているのは「SBI損保」「セコム損保」の商品が良いと思いますが、加入の是非については医療保険について記載した通りです。
*自由診療でも自己負担0円!?セコム損保のがん保険「自由診療保険メディコム」とは?
学資(次男用)・オリックス生命、RISE(15年払、月払18,771円、免除なし、560万円)※返礼率は高くないが、貯金よりはマシで、死亡保障があることから終始保険での用意を検討中。※月払が18,800円程度にしたい
現在日本の保険会社で販売されている終身保険や学資保険、個人年金保険など貯蓄性のある保険は史上最低の利回り(正確には予定利率と言います)の保険で、長い期間を超低金利の利率で縛られた上に、途中で見直そうと思っても支払中のほとんどの期間で元本割れです。終身保険などの商品が貯蓄を兼ねていたのは20~30年、少なくとも15年くらい前の頃の話で、今のこのような時代に終身保険に加入すべきではありません。何度も申し上げますが、死亡保障を用意するのであれば「収入保障保険」や「定期保険」などで準備し「保障は保障」「貯蓄は貯蓄」で分け、「必要な保障額」を「必要な期間」加入するのが良い方法です。
*週刊ダイヤモンド「保険 見直すなら最後のチャンス」を読んでみた
*”学資保険は実質元本割れ!?”国立大学授業料「54万円」が16年後「93万円」に【現在の172%、1.7倍】
老後・将来的な貯蓄をどのように行うか検討中(現在は、個人型確定拠出年金or投資信託を検討中)
「確定拠出年金(401K)」は毎月の掛金の全額が所得から控除され、満期受取時の税金面においても、生命保険の個人年金保険よりかなり優遇されています。ただし、良い運用先(ファンド)がないので、残念ながらお金を殖やすことが期待出来ませんから、運用先は「定期預金」にするくらいに考え、あくまでも「税効果」のメリットだけに留めた方が良いでしょう。
*日本国内の商品で老後資金を作るならこれ「個人型確定拠出年金(401K)」
学資資金、老後資金に関しては、現在の超低金利下の日本では残念ながらお金を殖やすことが出来ませんから、お金を殖やす目的では「海外積立年金」をオススメします。「海外積立年金」には2種類あり、積立を始めるためにご自身で海外に渡航する必要もなく、パスポートなどのいくつかの必要書類をご準備出来れば申込むことが出来ますので既に多くの方が、学資資金や老後資金を目的に海外積立を始めています。
1)「変額年金プラン」
ボーナス金利を積立額に応じて1~5%/年必ずもらいながら、世界にある200本ほどあるファンドからポートフォリオを組んで積立投資するものです。ご自身でポートフォリオを組み、運用することもできますが、弊社の推奨するポートフォリオで運用することも可能です。
仮に月々300USD(約36,000円)を積立られる場合、海外積立年金では2%のアロケーションボーナス(固定金利)が積立額に上乗せされ、経過期間ごとにロイヤルティボーナス(お祝金)がもらえます。弊社でご紹介しているご参考ポートフォリオで積立をする場合には過去7.88%/年の運用ができているので、これまでのパフォーマンスで殖やしていければ、積立最大年数の25年後満期時には、複利運用やボーナス金利によって、手数料等すべて含め以下のようなパフォーマンスシミュレーションとなります。(*1USD=120円)
・25年積立総額:300USD✕12✕25=90,000USD(約10,800,000円)
・25年後満期想定額(8%運用):265,593.32USD(約31,870,000円)
・上記返戻率:295.1%
2)「140%元本確保型年金プラン」
15年後に積立た金額の+40%を最低保証した上で、米国の株式に連動し更に殖えて受けとれることができるものです。老後資金としてはもちろん、お子さんの教育資金などで活用される方もいらっしゃいます。
仮に月々300USD(約36,000円)を15年間積立た場合は(*1USD=120円)
・15年積立総額:300USD✕12✕15年=54,000USD(約6,480,000円)
・15年後満期金:54,000✕140%=75,600USD(約9,072,000円:最低保証)
・最低保証返戻率:140%
保証のタイプが異なりますが、いずれにせよ日本の年金保険よりもかなり良い数字となっています。
私はブログなどでもよく書いていますが「貯蓄」は死亡、病気、就業不能、介護、すべての”万能薬”となると考えています。神谷さんが毎月の保険支払にどれくらい充てられるかはわかりませんが、優先順位は老後資金や学資資金などの「貯蓄」を優先されると良いと思います。、特にお若い方は「時間」を武器にすることで「複利効果」により資産を大きく殖やせることができますから、金利を付けて少しずつでも積立をされてはいかがかと思います。
*「死亡する確率」「老後を迎える確率」「入院する確率」どれを優先して保険をかけるべきか?
*「貯蓄」は全ての”万能薬”
*積立るなら1日でも早いほうが良い
*違い知ってますか?「単利」「複利」とは?
Point
いろいろとお調べになってのご相談でしたが、やはり保険屋さんの提案(セールス)は”ムダ”ばかりですね。
皆さんも、出来ればご加入前にご相談下さい。
もちろんご加入後でも、見直し方法をアドバイス(無料)しますよ。
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こちらは直接、弊社保険アドバイザーへ無料で質問できるフォームとなっています。外資系生命保険会社出身の優秀なコンサルタントが一つ一つお答えしていきます。
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