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証券分析事例(56歳 男性 会社経営):個人4契約と法人8契約の分析依頼

公開日: : 最終更新日:2019/08/23 証券分析事例

皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。

今回は証券分析事例を紹介したいと思います。

 

【56歳 会社経営 男性】

こちらがご契約一覧です。
 
 
 
◯表全体の見方として
死亡保障・医療保障・老後(年金)に分け、それぞれの区分で加入年順に上から並べています。
オレンジ色の保険はケース・バイ・ケースで見直しが必要な保険、青の数字は少しご説明のいる部分ですので下記で説明をしています。
 
 
証券分析
 
【個人契約(ご主人)】
1.)JA「終身保険」
1988年加入(25歳)
・死亡保険金:500万円
・特約:災害死亡1,000万円/入院日額7,500円
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:終身
・年払保険料:118,850円
・払込期間:55歳
・払込総額:3,565,500円
・解約返戻金:?
・上記返戻率:?%
・コメント
主契約の終身保険に、特約で医療保障と災害死亡時の保障が付いています。主契約部分の保険料は既に払込が終了していますが、災害死亡と医療の特約を継続する場合は80歳迄、年払保険料29,850円を支払えば保障を継続できます。
 
 
2.)ソニー生命「変額終身保険」
2000年加入(37歳)
・死亡保険金:5,000万円
・特約:災害死亡5,000万円(80歳迄)
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:終身
・月払保険料:66,550円
・払込期間:75歳
・払込総額:30,346,800円
・解約返戻金:運用次第
・上記返戻率:運用次第
・コメント
契約当時、国内の生命保険会社の終身保険で同額の死亡保障にした場合、最も割安な保険料の終身保険です。死亡保障5,000万円は最低保証されていますが、解約返戻金は運用次第となり、契約時のポートフォリオは総合型100%になっています。

*8月からファンド規制・ソニー生命の変額終身保険「バリアブルライフ」

 
 
3.)日本火災「介護費用保険」
1992年加入(29歳)
・介護施設/医療費用:月10万
・介護諸費用:月10万
・臨時諸費用:100万
 
・保障期間:終身
・一時払保険料:218,560
・解約返戻金:?
・上記返戻率:?
・コメント
損害保険会社の商品です。27年前の商品ですので、商品詳細がはっきりとわからなかったのですが、調べた限りでは要介護4または5以上の状態で給付金が支払われる内容かと思います。
一時払なので保険料の払込は既に終了しており、解約返戻金の有無はわかりませんでしたが、恐らく解約返戻金の無い商品だと思います。
 
 
 
【個人契約(奥さま)】
1.)日本火災「介護費用保険」
1992年加入(25歳)
・介護施設/医療費用:月10万
・介護諸費用:月10万
・臨時諸費用:100万
 
・保障期間:終身
・一時払保険料:230,670
・解約返戻金:?
・上記返戻率:?
・コメント
ご主人と同様です。
 
 
 
【法人契約(ご主人)】
1.)大同生命「85歳定期保険」
1990年加入(28歳)
・死亡保険金:5,000万円
・特約:災害死亡1,000万円/傷害100万円
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:85歳
・月払保険料:34,330円
・払込期間:85歳
・68歳時払込総額:17,285,000円
・68歳時解約返戻金:16,478,400円
・上記単純返戻率:104.9%
・コメント
死亡保障と退職金準備のための「節税保険」ですね。
契約時の経理処理は1/2損金だったでしょうか?
 
 
2.)ソニー生命「逓増定期特約付終身保険」
2000年加入(37歳)
・死亡保険金:2,500万円から逓増
・特約:逓増定期(2,000万円から逓増)
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:終身(特約は90歳)
・月払保険料:156,730円
・払込期間:65歳
・払込総額:52,661,280円
・70歳時解約返戻金:67,577,500円
・上記単純返戻率:128.3%
・コメント
死亡保障と退職金準備のための「節税保険」ですね。
契約時、特約部分の経理処理は1/4損金だったでしょうか?
 
 
3.)JA「低減定期特約付養老保険」
2005年加入(43歳)
・死亡保険金:1億円から逓減
・特約:逓減定期(9,600万円から逓減)/災害死亡/入院
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:25年(特約は15年)
・月払保険料:78,540円
・払込期間:25年
 
→〈2014年払済〉
・払込総額:8,482,320円
・死亡保険金:4,492,547円
・68歳時解約返戻金:?
・上記単純返戻率:?%
・コメント
加入時の目的がわかりにくいものでしたが、いずれにしても既に「払済」となっています。
68歳時には450万円前後の満期金でしょうか?
 
 
4.)プルデンシャル生命「100歳定期保険」
2013年加入(50歳)
・死亡保険金:5,000万円
・特約:なし
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:100歳
・年払保険料:1,362,650円
・払込期間:100歳
・70歳時払込総額:27,253,000円
・70歳時解約返戻金:23,250,000円
・上記単純返戻率:85.3%
・コメント
死亡保障と退職金準備のための、1/2損金の「節税保険」ですね。
ピーク時の単純返戻率で85%程度となっています。
 
 
5.)三井生命「終身医療保険(90日型
2015年加入(52歳)
・入院日額:10,000円(通算1,095日)
・手術給付金:最大400,000
・入院一時金:20万円
・生活習慣病/がん入院:+日額10,000円
・がん治療サポート:30万円
・先進医療:通算2,000万円
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:終身
・月払保険料:57,698
・払込期間:65
・払込総額:9,000,888円
・解約返戻金:0
・上記返戻率:0
・コメント
同社の医療保険は同じような保障内容で他社と比較すると、かなり割高だったと思います。当時、既に払込期間10年の商品もありましたが、他社と比較されたでしょうか?
 
 
【法人契約(奥さま)】
6.)プルデンシャル生命「100歳定期保険」
2013年加入(46歳)
・死亡保険金:5,000万円
・特約:なし
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:100歳
・年払保険料:918,150円
・払込期間:100歳
・70歳時払込総額:22,035,600円
・70歳時解約返戻金:21,805,000円
・上記単純返戻率:99.0%
・コメント
死亡保障と退職金準備のための、1/2損金の「節税保険」ですね。
ピーク時の単純返戻率で100%程度となっています。
 
 
7.)三井生命「98歳定期保険」
2014年加入(48歳)
・死亡保険金:5,000万円
・特約:なし
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:98歳
・月払保険料:84,850円
・払込期間:98歳
・69歳時払込総額:21,382,200円
・69歳時解約返戻金:?円
・上記単純返戻率:?%
・コメント
死亡保障と退職金準備のための1/2損金の「節税保険」ですね。
低解約期間が20年なので、21年目に解約返戻金が立ち上がります。
 
 
8.)住友生命「終身医療保険(180日型
2015年加入(49歳)
・入院日額:10,000円(通算1,000日)
・手術給付金:50,000〜400,000
・入院一時金:10万円
・がん診断給付:100万円
・がん薬物治療:10万円(10年更新)
・先進医療:通算2,000万円
・保険料払込免除:なし
 
・保障期間:終身
・月払保険料:29,623
・払込期間:65
・払込総額:587,616円
・解約返戻金:0
・上記返戻率:0
・コメント
同社の医療保険は同じような保障内容で他社と比較すると、かなり割高だったと思います。当時、既に払込期間10年の商品もありましたが、他社と比較されたでしょうか?
 
 
 
◯アドバイス&ご提案例
 
【個人契約】
生命保険加入にあたって一般的な考え方ですが、生命保険の死亡保障というのは、万が一があった場合「誰が、金銭的にどれくらいリスクがあるか?」平たく言えば「誰がどれだけ金銭的に困るのか?」で、加入するべきものです。〇〇さんに万が一があった場合に「どなたが」「どれくらい」金銭的にお困りになるか?ということですね。それがある程度はっきりしませんと、死亡保障がどれくらい必要なのか?多いのか?少ないのか?または、そもそも不要なのか?がわからないわけです。必要保障額の考え方はについてはブログで書いていますの参考にして下さい。

*生命保険が不必要な人

*「万が一の必要保障額」ってどれくらい?

 
次に、医療保険やがん保険の考え方についてですが、保険は損得だけのことではありませんので、医療保険やがん保険に加入していたことで“本当に良かった”という方もいらっしゃいますが、ただでさえ、国の制度によって強制的に毎月保険料を支払っているわけですから、これに加えて保険会社の医療保険に加入するのであれば、日本は高額療養費制度という社会保障制度がありますので、そちらも含めて本当に必要かどうかを確認してみて下さい。医療保険やがん保険保険会社の非常に儲かる商品で、確率論ではありませんが、殆どの方が支払うよりも受取る金額の方が少なくなっています。

医療保険って必要?「高額療養費制度」とは?

 
 
【法人契約】
法人においては、経営者に万一のことがあった場合、従業員の給与などの運転資金や借入金返済のための資金を用意しておく必要があると一般的に言われています
 
・必要保障額=(短期借入金+買掛金+支払手形)×1.5*+従業員の給与月額総額×必要月数(6〜12ヶ月程度)
法人税などを考慮して1.5倍しています
 
退職金に関しては
 
・役員退職金=最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率
 
が、適正なものとして扱われています。

*「役員退職金」で否認されないために

*役員退職金の「功労金(役員退職金×30%)」は損金算入を否認されるケースがある

 
 
では、上記の必要保障額などは考慮せずに、各保険についてアドバイスをさせて頂きます。
 
【個人契約(ご主人)】
1.)JA「終身保険」→ そのまま
解約返戻金の推移がわかりませんでしたが、予定利率の高い時代に終身保険ですから、解約返戻金も多く貯まっているものと思われます。
既に払込も終了していますので、保障としてそのままにしておいても良いですし、必要に応じて解約しても良いと思います。
もし、災害害死亡と医療の特約を継続しているようでしたら、そちらはお辞めになった方が良いでしょう。
 
 
2.)ソニー生命「変額終身保険」→ 継続 or 払済
個人契約の大きな保障はこちらだけですので、そのまま継続しても良いと思いますが、払済にしてその分の保険料で「海外終身保険」に加入するという方法もあります。
いずれにしても、ポートフォリオが「総合型」となっていますので、「世界株100%」にされると良いと思います。
既に保険料の払込は済んでいるので、そのままで良いかと思いますが、保障内容としては要介護4または5以上が支払事由だと思いますので、かなり給付ハードルの高い一昔前の保険です。現在は要介護1または2以上で給付対象となる商品が主流です。

*介護保険ならこれがいいかな@ソニー生命「終身介護保障保険(低解約返戻金型)」

 

 

【個人契約(奥さま)】

1.)日本火災「介護費用保険」→ 継続 

ご主人同様です。
 
 
【法人契約(ご主人)】
1.)大同生命「85歳定期保険」→ 継続
恐らく1/2損金の定期保険だと思いますがいかがでしょうか?
ピーク時(70歳前後)には単純返戻率でも100%を超えていますので、節税効果含めとても良い保険ですね。
ご存知の通り、2019年2月末で全員加入養老保険などの一部を除き「節税保険」への加入は出来なくなりましたので、支払に問題がない限り継続されると良いと思います。

*「法人向け保険の税務取扱改定」@6月28日 国税庁公表〜10月までがラストチャンス「医療保険短期払」

 

 

2.)ソニー生命「逓増定期特約付終身保険」→ 継続

恐らく逓増定期部分は1/4損金だと思いますがいかがでしょうか?
損金算入額は少ないですが返戻率も高く、保障としても良いものだと思いますので、こちらも支払に問題がない限り継続されると良いと思います。
 
 
3.)JA「低減定期特約付養老保険」→ そのまま
既に「払済」となっていますので、満期までそのままで良いかと思います。
 
 
4.)プルデンシャル生命「100歳定期保険」→ 継続
1/2損金の定期保険ですが、加入されている法人「節税保険」の中では最もパフォーマンスが悪いようです。
恐らくピーク時で実質返戻率100%程度かと思いますが、死亡保障を兼ね備えていますので、こちらも支払に問題がない限り継続されると良いと思います
 
 
5.)三井生命「終身医療保険(90日型)」→ 見直し
現在加入から約4年が経過し、残りの払込期間は9年です。
残りの総額は『57,698×12×9=6,260,544円』
今、ほぼ同じような保障内容でオリックス生命などの価格競争力のあるもので見直すと、支払額が少なくなるはずですから、健康状態に問題がないようでしたら早めに見直されると良いでしょう。
そして、可能な範囲で支払期間は短くすることをオススメします。

医療保険を法人加入にしたほうが良い理由

人気No1の医療保険「オリックス生命・新Cure」が2018年10月リニューアル

 

【法人契約(奥さま)】

6.)プルデンシャル生命「100歳定期保険」→ 継続
1/2損金の定期保険ですが、ピーク時には単純返戻率でも100%前後になっていますので、節税効果含めとても良い保険ですね。
支払に問題がない限り継続されると良いと思います。
 
 
7.)三井生命「98歳定期保険」→ 継続
1/2損金の定期保険です。解約返戻金の推移がわかりませんでしたが、こちらもピーク時には単純返戻率90%を超えているのではないでしょうかか?
支払に問題がない限り継続されると良いと思います。
 
 
8.)住友生命「終身医療保険(180日型→ 見直し
現在加入から約4年が経過し、残りの払込期間は12年です。
残りの総額は『29,623×12×12=4,265,712円』
今、ほぼ同じような保障内容でオリックス生命などの価格競争力のあるもので見直すと、支払額が少なくなるはずですから、健康状態に問題がないようでしたら早めに見直されると良いでしょう。
そして、可能な範囲で支払期間は短くすることをオススメします。
 
 
◯追記
【個人契約】
老後資金の準備として、企業型の選択制確定拠出年金や、小規模企業共済などをもし利用されていなければ、活用しても良いかもしれませんね。特に、所得の高い経営者の方にとっては非常に大きな税効果があります。

*「選択制確定拠出年金」の驚くべき利回り【50歳のケース】

*税金を考慮すると「小規模企業共済」の実力はどうか?を検証(数字は最強かもね、これ)

 
 
【法人契約】
上記でもアドバイスしましたが、今後は節税効果のある保険が販売されることは極めて難しい状況のようですから、現在加入中の「節税保険」は、事業資金、退職金など必要に応じて上手に活用して下さい。
また、ご存知かと思いますが、保険料は「月払」よりも「年払」の方が、保険料が若干安くなり、解約金のあるものでしたら返戻率が少し高くなりますので、法人契約では「年払」とすることが多くあります。
法人契約の多くは「月払」となっていますが、何か特別な理由があったでしょうか?契約途中でも変更は出来ますから、もし可能であれば「年払」にされた方が良いですね。
 
 
 

Point

その後の見直しやアレンジに関しては、全国にいる弊社パートナー経由で切り替えることができますのでお気軽にご相談下さい。
 

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    • プロフィール

      保険アドバイザー 野村 元輝
      <経歴>
      神奈川大学経済学部卒業
      大手宝飾品専門店に勤務後、生損保代理店で11年半勤務。
      その傍らで、より顧客志向に立ったアドバイスがしたいと思い、2011年10月より海外投資のアドバイスを開始。
      その後、弊社保険アドバイザー(国内外の保険相談)として2017年12月より勤務。

      <趣味>
      ゴルフ(少々)、海外視察、草野球

      <出身地>
      神奈川県茅ヶ崎市

      <自己紹介>
      大学卒業後、東証一部上場の宝飾品会社にて販売営業に従事。

      2006年6月に、とあるファイナンシャルプランナーとの出会いから、より顧客利益につながる仕事がしたいという想いで、飛び込みで生命保険の代理店に志願して転職。独立系乗合保険代理店にて、生命保険のライフプランナーとして11年半勤務しました。

      並行して、2011年10月より海外投資のアドバイスを開始。弊社河合とは、同業者の紹介で知り合うことに。

      国内海外問わずいいものはいい!悪いものは悪い!という投資スタンスよりクライアント志向に立った活動方針に共感しこれまでのキャリアを活かし、弊社保険アドバイザーとして2017年12月よりK2 Holdingsに参画しました。

      国内外の保険や投資など幅広いアドバイスを得意とし、日々顧客利益のために活動中。

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