こだわりが強すぎてアドバイスに耳を傾けて頂けなかった数少ない相談事例です
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保険相談事例
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。
今回は実際に相談依頼を受けた事例を紹介したいと思います。
この方は最初に頂いた質問に対して回答した後、下記のような内容で追加の質問を頂きました。
とにかくご自身のこだわりが強すぎて、まったくこちらのアドバイスには耳を傾けて頂けなかった数少ない事例です。
【質問】
診断ありがとうございます。
丁寧なご回答、大変勉強になりました。
ご質問いただいた件について、
・現在加入中の保険
後ろの方に詳しく書きますが、もう一つ、私(妻)名義でドル建て終身保険に加入しています。
・メットライフ生命「つづけトク終身保険」
加入したのはつい最近です。
16年後の返戻率は、10年後に更改される予定利率が1.5%なら106%ほど、3.5%なら118%ほどになるようです。
利率が上がったことはないとのことなので、あまり返戻率は上がらないかもしれませんが・・。
貯蓄としてはなかなか難しいのかもしれませんが、子どもが小さいうちに夫が亡くなってしまった場合にも、教育費を死亡保険金で確保できることを考えると、保険が良いと思って加入しました。
確かに、教育費用の死亡保障は定期保険にするという手もありましたね。
・あんしん生命の「メディカルキットR」について
はい、3年ほど前に加入したので、早い時期だったと思います。
こちらは70歳からを掛け捨てと考えて、還付金を以後の保険料に充てるつもりです。
・万が一の場合の必要保障額
お互いに、今死亡しても金銭リスクはほとんどなく、子どもが小さいうちに夫が死亡した場合は遺族年金が月10万円弱なので、私の収入を足しても月5~10万円ほど必要かなと思います。
最近は葬儀も安くあげられるのですね。
貯金でも対応できるとは思うのですが、もしかなり長生きをして老後資金が少なくなってしまった場合、貯金を残しておけなくなることが心配です。
保険にしておけば亡くなるまで手を付けずに済むかと思ったのですが、他におすすめの方法があるでしょうか。
・老後資金は、さしあたり3,000万円を目標にしています。
具体的には、
①貯蓄および小規模企業共済
②生命保険の解約返戻金
→長文になるので省略させていただいたのですが、私(妻)名義でUSドル建てIS終身保険(10年全期前納払い)に先日加入しており、そちらは返戻金を老後資金にと考えています。
死亡保障5万ドルですが、11年目で返戻金が1.7万~2万ドル(返戻率102.6~120%)もらえます。
また、三大疾病のための保険も退職して医療費が安くなる頃に解約し、返戻金を老後資金に充てるつもりです。
③確定拠出年金
このあたりで準備する予定です。
・保険加入の優先順
①死亡保障
②教育費資金(死亡保障とほぼ同じ意味で)
③3大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)
④医療保障
⑤就業不能
⑥老後資金
⑦介護
×相続対策(相続税納税対策)
今のところこういう感じです。あまり具体的に考えられないためかもしれませんが、介護や相続はほぼ考えていません。
・毎月の支払に充てられる上限金額
今計画中の54,000円+収入保障保険の保険料(子どもが生まれたら、入るつもりでいました)ぐらいが限界だと思います。
長文になり大変恐縮ですが、アドバイスよろしくお願いいたします。
なお、追加でご質問があるのですが、ブログの記事で「死亡保障に必要な額が1億円ほどの場合、アメリカの定期保険がおすすめ」ということを拝読したのですが、なぜ1億円なのでしょうか?アメリカの定期保険を買うと、手数料等が高くつくからでしょうか?
また、アメリカで定期保険に入った場合、当然死亡の際に支給される保険金はドルだと思うのですが、為替リスクは大きいでしょうか?
大変お手数をおかけしますが、ご教示いただければ幸いです。
【回答】
メットライフ生命「つづけトク終身保険」加入したのはつい最近です。16年後の返戻率は、10年後に更改される予定利率が1.5%なら106%ほど、3.5%なら118%ほどになるようです。利率が上がったことはないとのことなので、あまり返戻率は上がらないかもしれませんが・・。
はい、「あまり上がらない」のではなく「上がらない」と思っています。
貯蓄としてはなかなか難しいのかもしれませんが、子どもが小さいうちに夫が亡くなってしまった場合にも、教育費を死亡保険金で確保できることを考えると、保険が良いと思って加入しました。
確認ですが、最初に頂いたメールでは、お子さんは「将来的に欲しい」とのことで、現時点ではまだお子さんはいらっしゃらないと理解していますがよろしいでしょうか?
であれば、そもそもの”出発点”に大きな誤りがあると思います。
保険加入に際しては先日もお伝えした通り「必要な時」「必要な期間」「必要な保障額」で加入するべきものです。
つまり「お子さんが出来てから」必要な保障を検討すれば良いわけで、まだいらっしゃらない時点から「子どもが小さいうち」の心配をし、保障を用意する必要はないと考えています。
もちろん、FPと言う名の「保険屋さん」は保険を売りたいので「今から準備しても、ムダになりませんから」というセールストークになると思います。
*FPと名乗る「ポジショントーク」に振り回されではダメ!~「ポジショントーク」とは?
*あなたの申込んだ「保険無料相談」の情報は◯◯万円でFPに買われている~だから保険を売りつけられる
お互いに、今死亡しても金銭リスクはほとんどなく、子どもが小さいうちに夫が死亡した場合は遺族年金が月10万円弱なので、私の収入を足しても月5~10万円ほど必要かなと思います。
これも上記同様です。お互いが亡くなった場合の金銭リスクがないのであれば現在加入している、または検討されている死亡保障は”ムダ”になっています。
貯金でも対応できるとは思うのですが、もしかなり長生きをして老後資金が少なくなってしまった場合、貯金を残しておけなくなることが心配です。保険にしておけば亡くなるまで手を付けずに済むかと思ったのですが、他におすすめの方法があるでしょうか。
どうしても「葬儀費用」に優先順位があるようですね?◯◯さんの考え方なので、それはそれで構いませんが、長生きをして蓄財を取り崩し「葬儀費用」が無くなる心配より、生きている間に蓄財が無くなってしまうことの方を先に心配するべきではないかと私は考えます。その為にもムダな保険には加入せず、より多く貯蓄にまわしておかれた方が良いのではないかと思います。
長文になるので省略させていただいたのですが、私(妻)名義でUSドル建てIS終身保険(10年全期前納払い)に先日加入しており、そちらは返戻金を老後資金にと考えています。死亡保障5万ドルですが、11年目で返戻金が1.7万~2万ドル(返戻率102.6~120%)もらえます。
全期前納で保険料約16,600USDですね。メットライフの設計書の返戻金は予定利率3%、4%、5%の記載ですが、現時点では3%の推移でみるのでが妥当でしょう。つまり11年目の返戻金は約17,000USD、返戻率102.6%です。
酷を承知で申し上げますが、これも明らかに加入すべきではなかったと思います。この保険は死亡保障についた保険です。ご返信頂いた内容を見ましても、お互いに亡くなった場合の金銭リスクがそれほどないのであれば、死亡保障に対する保険料は”ムダ”となります。死亡保障に対するコストのない商品に預けていれば、もっと多く殖やすことが出来ました。
例えば、海外の固定金利2.5%/年、預入期間5年の商品、イメージで言うと5年定期預金のような商品です。これに同額の16,600USDを預け入れると、わずか5年後に18,334USDとなって満期を迎えます。返戻率は110.4%です。11年掛けて2.6%、5年で10.4%という差が生じます。
保険加入の優先順
優先順位が高いと考えられている商品は手数料の高い傾向がありので、保険屋さんでしたらこのようなご希望だと、喜んで保険を販売するでしょう。
しかし、弊社は保険の販売代理店ではないので、中立に判断しアドバイスしますと、現在の◯◯さんの優先順位は
1)老後
2)医療
3)3大疾病
4)就業不能
ではないかと考えます。理由は
・現在どちらかが亡くなった場合でも金銭的リスクがない。
・まだお子さんはいらっしゃらないので、現時点では教育資金を準備する必要はない。
・お二人とも数十年後には「老後」を迎えるのでその準備、対策は必要。特にご主人は、現時点では厚生年金加入者ではないので基礎年金だけでは不十分(厚生年金もアテになるかどうかは怪しいですが)
なお、医療保険やがん保険加入に際して皆さんにお伝えしているのは、本当に医療保険やがん保険が必要かどうかについてです。
保険は損得だけのことではありませんので、医療保険に加入していたことで“本当に良かった”という方もいらっしゃいますが、ただでさえ、国の制度によって強制的に毎月保険料を支払っているわけですから、更にこれに加えて民間の保険会社の医療保険に加入するのであれば、本当に加入が必要かどうか?日本は高額療養費制度という社会保障制度もあり、◯◯さんのようにお勤めの方ですと会社の福利厚生などが充実している場合もありますので、そちらも確認してからにしてみて下さい。医療保険やがん保険は保険会社の非常に儲かる商品です。確率論ではありませんが、殆どの方が支払うよりも受取る金額の方が少なくなっています。
*医療保険って必要?「高額療養費制度」とは?
ブログの記事で「死亡保障に必要な額が1億円ほどの場合、アメリカの定期保険がおすすめ」ということを拝読したのですが、なぜ1億円なのでしょうか?アメリカの定期保険を買うと、手数料等が高くつくからでしょうか?
日本に居住する日本人が、米国で生命保険に加入する際は最低保険金額が1mill(約1億円)からとなっています。これは米国の保険会社が設けているルールです。手数料などの理由ではありません。
また、アメリカで定期保険に入った場合、当然死亡の際に支給される保険金はドルだと思うのですが、為替リスクは大きいでしょうか?
日本で加入しても米国で加入しても「外貨建」の商品に加入すればすべて「為替リスク」があります。現在加入されているメットライフの商品でも、それは同じです。
一方で、これからは資産のすべてを「日本円」で持つこともリスクのひとつですですから、資産の一部を外貨で持っておくこと、特に世界の基軸通貨である「米ドル」で持つことは「通貨分散」においても非常に大切なことです。「円安・円高」で「儲かった・損した」ということではなく資産の一部は外貨として持っておかれることをオススメしています。
*それでも”円”だけを持ち続けますか?【外貨を持ったほうが良い理由】①
*保険にも関係あり!?「9/16 格付会社S&Pが日本国債を”A+”へ格下げ」
以上のことを踏まえ、◯◯さんには「海外積立年金」をオススメします。
「海外積立年金」の目的は老後資金や教育資金などの「お金を殖やす」ことであると同時に、「通貨分散」のために資産の一部を外貨(米ドル)を持つことと、日本国内ではなく「海外に一部の資産を持つ」ことも出来るため、預金封鎖やデノミネーションなどからのリスク分散の意味でとても有効な手段です。
Point
保険加入は「必要な時」「必要な期間」「必要な保障額」で加入するべきものです。
つまりお子さんへの保障は「お子さんが出来てから」必要な保障を検討すれば良いわけで、まだいない時点から「子どもが小さいうち」の心配をし、保障を用意する必要はありません。
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