完全実力主義!?「保険営業のコミッション」について
公開日:
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最終更新日:2016/06/24
裏話
今日は「保険営業のコミッション」につて少しお話したいと思います。
ちょっと裏話です。
保険業界は大きくは2つ、「日本の保険会社」と「外資系の保険会社」に大別されます。
業界では日本の保険会社を”日本社”と呼びます。一方外資系の保険会社を雑誌などでは”カタカナ生保”などと言っていますが、業界の人間はそんな言い方はあまりしません。普通に”外資系”くらいでしょうか…
そして、この”日本社”と”外資系”でコミッションの計算基準がまったく違います。
業界ではS(えす)とかP(ぴー)という言葉がよく出てきますが、Sとは「保険金額」のことで、死亡した時の金額のことです。「死亡したら1億円」というのは業界では「S1億円」と言います。
一方、Pとは「保険料のこと」を言います。「月々3万円支払う保険料の契約」のことを業界では「月P3万円の契約」と言います。
ちなみに業界で「ANP(えーえぬぴー)」という言葉もよくでてきますが、これは年換算保険料(Annualized New business Premium)のことで、1回あたりの保険料に年間の支払回数(月払いなら12回)を乗じたもの。上記の月P3万円はANP36万円となるわけです。(年払36万円もANP36万円です)
そして、保険営業の受取るコミッションは日本社の営業はSが基準で、これを「S建て(えすだて)」と言い、外資系はPを基準にし、これを「P建て(ぴーだて)」と言います。
外資系のコミッションの場合「ANP✕◯◯%」とする場合がほとんどです。1年目のコミッションを「初年度コミッション」と言い、通常この初年度の%が多く、2年目以降の%は少なくなり、だいたいが一桁の%です。このコミッションの受け取りをグラフにするとL(える)の形になることから「L字コミッション」と呼ばれています。2年目以降から何年間かに渡ってもらうコミッションを「継続コミッション」と言い、保険会社・保険種類によって細分化され、その年数が違います。契約が継続する限りもらえるコミッションを「永年コミッション」と言いますが、最近は永年コミッションの商品はほとんどないようです。
このコミッションの計算基準の大きな違いが保険のセールスにも大きく影響しています。
日本社の基準は”S”ですので、営業の多くは【なるべく保険金額の大きい契約】を、一方外資系は”P”が基準ですから、外資系の営業は【できるだけ保険料の高くなる契約】を取りたがります。そのため、日本社は保険料が安くて保険金額が大きくなる「定期付終身保険」のような”掛け捨て”の定期保険部分が大きい商品の販売が主となり、外資系の場合は、なるべく保険料が多くなるような”終身保険”系を厚くして「もし、亡くならなかった場合でも解約返戻金が払ったよりも多く戻りますよ」という営業トークになります。
皆さん、保険の営業所(事務所)の壁に営業成績の”棒グラフ”を見かけたことありませんか?あの営業成績の棒グラフも日本社では”S”の累計の棒グラフで、外資系は”P”の累計の棒グラフです。私も最初に務めていた外資系の保険会社で、毎月壁に貼っていたのを思い出します。
結局のところ
「顧客の立場になってと言いながら自分たちの懐次第じゃないか!」
と、言いたくなる方もいらっしゃると思います。確かにその通りかもしれません。
でも、ちょっとだけ保険営業の肩を持たせてもらうとすれば、どの業界のどの商品であれ、ボランティアではない限り、儲けなければいけませんね。皆さんの販売されている商品やサービスも”利益”上げますよね?
保険営業という職業は、3年も”もたない”と言われる厳しい世界です。さらに、この4月から保険営業のルールが厳しくなりました。
どの業界、どの仕事でもそうだと思いますが、特に保険という専門性のあるような商品であれば、それに携わる営業(セールスパーソン)が高い倫理観を持って中立公平なコンサルティングを提供しなければいけないのはもちろんですが、一方で「保険」に無頓着な契約者の方が多くいらっしゃるのも事実です。保険の契約、加入をする際は少し興味を持って頂き、このブログを見て頂いている方々にはちょっとでも参考になって頂けたら嬉しい限りです。
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