税金を考慮すると「小規模企業共済」の実力はどうか?を検証(数字は最強かもね、これ)
今日は『税金を考慮すると「小規模企業共済」の実力はどうか?を検証』についてお話したいと思います。
「小規模企業共済」についての詳細は前回のブログを参考にして頂くとして、同制度の最大の魅力は「掛金が全額所得控除される」ことです。そこで今回はこの制度が税効果を含めるとどれくらいの”実力”かを検証したいと思います。全額所得控除という面ではiDecoも同じなので、そちらも同時に比較してます(iDecoは運用0%と設定)。
*「小規模企業共済」とは?
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小規模企業共済 積立期間20年
・積立月額:30,000円
・積立期間:20年
・積立総額:30,000×12×20=7,200,000円
・予定利率:1.0%
(予定利率参考)
平成 8年4月~ 「6.6%」から「4.0%」に変更
平成 12 年4月~ 「4.0%」から「2.5%」に変更
平成 16 年4月~ 「2.5%」から「1.0%」に変更
・共済金A(事業廃止等):8,359,200 円
・共済金B(老齢給付等):7,976,400 円
・受取時課税:なし
【課税所得:195万円超330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】
・所得控除による節税効果:72,800/年
・共済金A実質返戻率:146%
・共済金B実質返戻率:139%
・iDeco実質返戻率 :124%
【課税所得:330万円超695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】
・所得控除による節税効果:109,500/年
・共済金A実質返戻率:167%
・共済金B実質返戻率:159%
・iDeco実質返戻率 :142%
【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】
・所得控除による税効果:157,300 円/年
・共済金A実質返戻率:206%
・共済金B実質返戻率:197%
・iDeco実質返戻率 :174%
参考)海外積立年金「元本確保型年金プラン」 積立期間20年
・積立月額:300USD
・積立期間:20年
・積立総額:300×12×20=72,000USD
・満期積立金(最低保証):115,200USD(160%)
・受取時課税(分離課税の場合):115,200USDー{(115,200ー72,000)×20%}=106,560USD
・実質返戻率:106,560÷72,000=148%
◯◯返戻率の高い順◯◯
1)小規模企業共済A【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】206%
2)小規模企業共済B【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】197%
3) iDeco 【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】174%
4)小規模企業共済A【課税所得:330万円超 695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】167%
5)小規模企業共済B【課税所得:330万円超 695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】 159%
6) 海外積立年金 「元本確保型年金プラン(160%最低保証)」 148%
7)小規模企業共済A【課税所得:195万円超 330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】 146%
8) iDeco 【課税所得:330万円超 695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】 142%
9)小規模企業共済B【課税所得:195万円超 330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】 139%
10) iDeco 【課税所得:195万円超 330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】 124%
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小規模企業共済制度 積立期間15年
・積立月額:30,000円
・積立期間:15年
・積立総額:30,000×12×15=5,400,000円円
・予定利率:1.0%
・共済金A (事業廃止等)6,033,00 円
・共済金B (老齢給付等)5,821,20 円
・受取時課税:A(1,684円)
B(なし)
【課税所得:195万円超330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】
・所得控除による節税効果:72,800/年
・共済金A実質返戻率:140%
・共済金B実質返戻率:135%
・iDeco実質返戻率 :124%
【課税所得:330万円超695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】
・所得控除による節税効果:109,500/年
・共済金A実質返戻率:161%
・共済金B実質返戻率:155%
・iDeco実質返戻率 :142%
【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】
・所得控除による税効果:157,300 円/年
・共済金A実質返戻率:198%
・共済金B実質返戻率:191%
・iDeco実質返戻率 :174%
参考)海外積立年金「元本確保型年金プラン」 積立期間15年
・積立月額:300USD
・積立期間:15年
・積立総額:300×12×15=54,000USD
・満期積立金(最低保証):75,600USD(140%)
・受取時課税(分離課税の場合):75,600USDー{(75,600ー54,000)×20%}=71,280USD
・実質返戻率:71,280÷54,000=132%
◯◯返戻率の高い順◯◯
1)小規模企業共済A【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】198%
2)小規模企業共済B【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】191%
3) iDeco 【課税所得:900万円超1,800万円以下(所得税率33% 住民税率10%)】174%
4)小規模企業共済A【課税所得:330万円超 695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】161%
5)小規模企業共済B【課税所得:330万円超 695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】155%
6) iDeco 【課税所得:330万円超 695万円以下(所得税率20% 住民税率10%)】142%
7)小規模企業共済A【課税所得:195万円超 330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】140%
8)小規模企業共済B【課税所得:195万円超 330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】135%
9) 海外積立年金 「元本確保型年金プラン(160%最低保証)」 132%
10) iDeco 【課税所得:195万円超 330万円以下(所得税率10% 住民税率10%)】 124%
いかがですか?数字で比較すると「小規模企業共済」の実質返戻率はかなり高いことがわかりますね。
特に
所得税の高い人、つまり収入の多い人ほどその『実質利回り』は海外のものよりも高く、国内外含め最強かもしれません
企業型の選択制確定拠出年金では社会保険料も控除されますので、そちらと同程度ではないでしょうか。
*「選択制確定拠出年金」の驚くべき利回り【50歳のケース】
これ以上の利回りで、安定的に運用出来る自信のある方は別ですが、そうではない
個人事業主や会社経営者の方は検討する価値があると思います
ただし、、、
現行の予定利率は1.0%ですが、この超低金利下ですから、再度引下げられる可能性もあります。
その場合、上記の数字よりも共済金の金額や返戻率は低くなります。
さらに、
・通貨分散
・国外での財産保全
・インフレ
へのリスク対応という点は、まったく出来ていないので、それらも含めて検討する必要があります。
*それでも”円”だけを持ち続けますか?【外貨を持ったほうが良い理由】①
*「預金封鎖」と「デノミネーション」
ちなみに、、、
これらを理解した上で私自身は
「小規模企業共済」には加入していません
「iDeco」にも加入していません
海外積立年金の「変額年金プラン」に加入しています
わからないことはいつでもお気軽にご相談下さい。
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