「予想がハズれてごめんなさい」オリックス生命から「全損保険」2月4日販売再決定
皆さんこんにちは「保険アドバイザー 和田」です。
今日は『オリックス生命から「全損保険」2月4日販売再決定』についてお話したいと思います。
このブログでも何度もお話している法人向けの全額損金の保険。
いわゆる節税の保険ですが、昨年秋頃から金融庁が”チョロチョロ”と動始め、販売にも”待った”が掛かるのではないかと業界ではザワザワしていたりもするのですが、そんな最中にも関わらず今年に入り「ソニー生命」からもリリースされ、各社の競争がまだまだ続きそうな気配です。で、更に2月4日から「オリックス生命」の商品もリリースされることになりました。
実はオリックス生命の同商品は当初、昨年の11月から販売を予定していて、いくつかの代理店などでは商品研修まで済んでいたにも関わらず直前になって販売を見合わすという経緯がありました。
*まだまだ続く「全損保険」競争@オリックス生命からも11月販売開始
*オリックス生命の「全損保険」販売延期・・・なぜ!?
その理由は
付加保険料*の適正
についてでした。
*付加保険料
保険料は純保険料と付加保険料で決定され、純保険料は「予定利率」「予定死亡率」を元に、付加保険料は「予定事業費率」を元に計算されていますが、この「予定事業費率」の差が各保険会社によって大きく異なり、各社で保険料に差が生じます。
*なぜ保険会社によって保険料が違うの?「予定利率」「予定死亡率」「予定事業費率」
この”適正”について金融庁は、10月上旬に同様の種類の保険を販売している全社に対して「数理計算の開示」までツッコんで調査しています。
この付加保険料の適性について簡単に説明すると、死亡保障額が同額の場合で比較した際に、
マニュライフ生命とネオファースト生命の保険料は2〜3倍
他の保険会社よりも高く設定されていて、日本人の死亡率で計算すれば死亡保障部分の保険料(純保険料と言います)は本来、各社でそれほど大きな差は生じないにも関わらず、保険料が2〜3倍も高いということは、
両社の付加保険料は著しく高い
ということになり、両社はこの仕組みを利用することで、ピーク時の返戻率をこの類の商品で他社よりも有利に働かせていているのではないかというわけです。
11月に販売予定であったオリックス生命でもこの「付加保険料」が高く設定されたため、販売直後に金融庁から”イチャモン”でも付いて、再度商品見直しをさせられるくらいなら、一度ここは販売を見合わせて上記2社以外、特にニッセイと同水準*くらいになるように見直しておこうというのが大方の見方でした。
(*この商品のパイオニアであるニッセイは現在、商品力が弱まり4,5番手(またはそれ以下)の位置にまで商品力を落としていたが、ピーク時の返戻率を概ね3〜5%程度上げて10月2日にリニューアル。しかしそれでも1番手ではない位置でのリニューアルだったため、これがスタンダード(適正)とされるのではないかと考えられている。)
しかしその後、”ある方面”からの情報で
オリックス生命の「販売延期」には、表向きは”付加保険料の適正化”としているようですが、実はウラにかなり”キナ臭い話”があるようです。
おそらく「延期」ではなく「中止」になるはずです。これはまた今度”ネタバラシ”したいと思います。
とブログで書いたのですが、予想が大きくハズレ2月4日に再度保険料を見直したカタチで販売することとなりました。
*金融庁がヒアリング、、、それでも続く「全損保険」競争@NN生命からも11月2日販売開始
で、この付加保険料の見直しを行い、つまりは付加保険料を当初の予定よりもかなり低くしての販売となることから返戻率も大きく下がるのかと思いきや、、、10年ピークの単純返戻率は以下の通りです。(保険金額1億円)
10年ピーク時の単純返戻率
【男性】
40歳:89.1%
50歳:88.5%
60歳:87.5%
【女性】
40歳:87.7%
50歳:87.7%
60歳:87.3%
他社比較
【男性】
上記年齢では、ピーク時の返戻率は10社の中で最高
【女性】
上記年齢では、ピーク時の返戻率はマニュライフが10社の中で最高
オリックスは2番手
スゴイですね。見直し後も40〜60歳の男性であれば10社の中で最も高い返戻率をキープしたままでのリリースです。経営者の多くが男性ですし、法人決算の最も多い3月に向けて独壇場になる可能性があります。
ただし、、、
付加保険料を低くしたことで保険料が大きく取れなくなるという事態が起こっています。
22歳〜65歳までの被保険者の最高保険金額が他社同様に5億円となっていますが、その際の年間保険料は男性の場合
40歳:約280万円
50歳:約480万円
60歳:約875万円
なので、例えば1,000万円単位以上の損金ニーズの場合は、役員数名を使っての契約か、オリック生命以外のマニュライフ生命やネオファースト生命など2番手または3番手の返戻率の保険会社を組み合わせによる契約しなければいけません。オリックス生命としては、ここは多少”痛手”となったところでしょう。
いずれにしても、全損商品(節税)ニーズの場合は必ずテーブルに乗ってくる商品です。ただし、出口戦略も同時考えておかないと単なる税の繰延べになってしましますから、そのあたりもよく検討したプランニングをするようにしましょう。
特に、その際に有効となるのが、海外の全損商品です。日本の損金商品よりもさらにメリットの大きいスキームを組むことが出来ますので、こちらを合わせて参考にして下さい。
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