明治安田生命「じぶんの積立」のギミックな販売方法
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。
今日は明治安田生命の「じぶんの積立」についてお話しようと思います。
昨年の11月に同商品の解説をしましたが、
*販売1ヶ月で契約6万8,000件超〜明治安田生命「じぶんの積立」とは?
10月に発売から5ヶ月時点で契約件数18万件超と、売行きとしては好調のようです。
この商品の仕組みはいたって簡単で、最低月額5,000円から5年間、毎月積立て、10年後の満期時に103%になって満期金を受取れる仕組みで、途中でいつ解約しても支払った金額を下回らい、つまり元本割れをしないようになっています。
で、このままだと10年で103%というトンデモなく殖えない積立商品なのですが、どうやら「生命保険料控除」を含めた利回りで販売しているセールスレディがいるようです。皆さんもご存知のように日本の生命保険は保険の種類、年間の保険料に応じて所得から一定額を控除することが出来ます。これが「生命保険料控除」ですね。
で、この控除によって浮いた税金をも含めて利回り計算すると103%以上になるとういセールストークになります。
では、モデルケースで解説します。
ケース1)月額10,000円の場合
この場合の年間保険料は10,000✕12=120,000円
この時の所得税の控除は年間保険料80,000円超なので、40,000円になります。
住民税はというと、56,000円超の28,000円が控除です。
一般的なサラリーマンの年収の場合、所得税10%、住民税10%ですから
40,000✕10%=4,000円
56,000✕10%=5,600円
これを足し算して、計9,600円が生命保険料控除によって毎年”浮いた”ことになります。
この9,600円が5年間で48,000円
・保険料払込累計額:10,000✕12ヶ月✕5年=600,000円
・満期金:618,000円
・上記返戻率:103%
・税効果額:48,000円
・実質効果満期額:618,000+48,000=666,000円
・上記実質返戻率:666,000÷600,000=111.0%
ケース2)月額5,000円の場合
この場合の年間保険料は5,000✕12=60,000円
この時の所得税の控除は年間保険料40,000円超80,000円以下なので、(60,000÷4)+20,000=35,000円になります。
住民税は、56,000円超の28,000円が控除です。
ケース1)同様に、一般的なサラリーマンの年収の場合、所得税10%、住民税10%ですから
35,000✕10%=3,500円
56,000✕10%=5,600円
これを足し算して、計8,600円が生命保険料控除によって毎年”浮いた”ことになります。
この8,600円が5年間で43,000円
・保険料払込累計額:5,000✕12ヶ月✕5年=300,000円
・満期金:309,000円
・上記返戻率:103%
・税効果額:43,000円
・実質効果満期額:309,000+43,000=352,000円
・上記実質返戻率:352,000÷300,000=117.3%
ということで、月額5,000円の方が見栄えが良いので、5,000円のプランをススメることが多いのかもしれません。
もちろん、つねに100%返ってくるという安心感から5,000円程度でしたら、契約しちゃう人も多いのでしょうね。
でもこれ、他にいろいろ保険に加入していると、住民税の控除合計は70,000円だったりするので、その効果は少し薄くなります。
この保険を販売する明治安田生命のホンネ
このような商品は、特にこのような超低金利のご時世ではまったくと言ってよいほど、明治安田生命は儲かってないと思います。
では、なぜ?
このような商品は「ドアノック商品*」と呼ばれ、明治安田生命はこの保険を足掛かりに、”ロクでもない保険”を売る魂胆なんです。
”本丸”があるんですね。
*ドアノック商品
さほど儲けにはつながらないが、長い説明を要すことなく比較的容易に、初めてのお客を取り込むきっかけを作ってくれる商品
Point
海外の商品では5年支払って、その後5年間据え置くと満期金が120%以上になるような商品があります。
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