結構売れている!?「無選択型保険・無告知型保険」とは?
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。
今日は「無選択型保険・無告知型保険」についてお話したいと思います。
無選択型保険とは、会社によっては無告知型保険とも呼ばれ、保険加入時に告知や医師の診査なしで加入できる保険のことで、通常の保険に比べ、保険料は割高になります。
また保障内容も限定的で、死亡保険の場合は契約後一定期間の死亡保険金が既払込保険料相当額となり、医療保険の場合は既往症が保障対象外となるなどがあります。
この無選択型の保険で「一時払終身保険」の契約が各社で伸びているようです。
一時払終身保険は一括で保険料を支払い、その後は終身、つまり一生涯保障が続く保険ですが、このタイプの商品を東京海上あんしん生命や損保ジャパン日本興和ひまわり生命、5月からはソニー生命保険でも販売開始しています。
会社によって多少仕組みは違いますが、このタイプの保険は、例えば1,000万円の保険料を支払って1,000万円の死亡保障となる終身保険です。
契約年齢によりますが、解約返戻金は5年から10年経過しないと100%以下、元本割れです。
保険としては???ですよね。
でも、これが結構売れています。
ー何故か?
その答えは「税制」と「仕組み」にあります。
ではまず、税制です。
実はすべての生命保険契約の死亡保険金には
【500万円✕法定相続人】の非課税枠が認められています。
本来の相続の計算は複雑になっていくので、ここでは簡単な例でお話しますと、例えば夫が亡くなり、妻と長男、長女の2人がいる場合には、
【500万円×3人=1,500万円】が非課税で相続税がかかりません。ですから、このような方のケースでは単純に現金を1,500万円持っていれば相続税の課税対象であったのが、保険料を1,500万円支払い、保険金1,500万円に変わっただけで、非課税になるわけです。
次に、仕組みです。
保険金というのは受取人固有の財産ですから、簡単に言うとお金に”名前”をつけられます。先の例で言えば1,500万円をそのまま銀行に置いておけばそれは妻と長男と長女のものです。もちろんタンスに置いておいた1,500万円でも基本的には同じです。これを、この保険に加入して保険料1,500万円支払い、契約する際に受取人を長女100%にすると、この保険金1,500万円は長女のものです。現金1,500万円に名前をつけたような感じですね。そして、仮に長女が財産放棄した場合でもこの保険金は受取れます。ここで説明すると話が長くなりますので省略しますが、この仕組を悪用する人がいるため、最近では否認されるケースもあります。
これに付随するもひとつの用途として、夫が銀行または郵便局などに預貯金していて、死亡したことを銀行などが知ると預金口座は凍結されます。中にはこれを知っていて、銀行などに知られる前に、口座から引き出すという人もいるようですが、もし預金が凍結されると相続人全員が署名押印した遺産分割協議書か、銀行所定の払戻請求書に相続人全員の印鑑証明書を添えて払戻し請求しなければ、預金の払戻しや預金からの引落しが一切できなくなります。
「相続」ではなく「争続」という言葉を最近皆さんも聞いたことがあるかと思いますが、もしこの妻、長男、長女の中で”モメ事”があって、誰かが遺産分割協議書に署名しなければこのお金は引き出せないことになってしまいます。保険金であれば、保険会社所定の手続きを踏めば、先の例では数日以内に長女に保険金1,500万円が支払われます。
今年から新しい相続税法が施行され、これまで減税の方向で進んできた相続税を政府は約50年ぶりに増税の方向に舵を切りました。一度切った舵はしばらくはその方向へ進みます。すなわち増税方向により進んでいくと思われます。これまで亡くなった人100人に4人といわれている相続税の対象者が、これにより6人〜7人に増えるといわれています。特に東京都内では5人に1人が対象ともいわれ、それにともない争続の問題も増えていくことが予想されています。
このような「税制と仕組み」のニーズにより、この無告知型の一時払終身保険が販売され、結構売れています。
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