ご注意ください!! 保険の下取り「転換」とは?
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。
今日は「転換」に関するお話です。
「生命保険を見直しましょう」
「更新時期がやって来るから…」
「新商品ができたから前の保険を…」
と、保険会社のセールスがある日あなたの元へやってきます。
これを言われたら十中八九「転換」です。
転換とは
すでに契約している保険をやめて、違う保険に入り直す際に利用される方法です。
ー今の保険を「下取り」し、その下取り価格を新しい保険の「頭金」に充てましょうー
と、耳に馴染みの良い「下取り」という言葉を使ったりしますが、皆さんのイメージされる下取りとはちょっと違うと思います。
少し詳しく解説していきます。
終身保険や定期付き終身保険などは、加入から何年かすると「解約返戻金」が発生します。転換とは、今の保険をいったん解約し、その解約返戻金相当額(正確には積立金)を新しく入る保険の一時払い保険料に充当するというものです。この解約返戻金をどの部分に充当するかで保険料は変わってきます。以下が代表的な定期特約付終身保険への3つの転換方法です。ちなみに、この積立てられていた金額を「転換価格」と言います。
転換が得だとイメージさせるのは、まったく新規で保険に加入するよりは頭金を払う分だけ保険料が安くなったり、実際に解約して返戻金を受け取るより少し多い金額が頭金に充てられたりするからです。
しかし、気をつけてください。転換は一般的にデメリットの方がとても大きいです。
おかげ様で多くのお客さんの保険見直しのお手伝いをさせて頂きましたが、その私の経験で、転換した契約でお客さんが前の契約より有利になった転換契約は1件も見たことがありません、1件もです。すべて、お客さん側が”損”をする契約に変わっていました。つまり、保険会社とセールステディーが得をする契約です。
転換する時は転換時の年齢で保険料が再計算されるため、最初に加入した時より年齢が高くなっていますから、同じ保障額を払う保険料は高くなっています。せっかく若いうちに入った安い保険料の権利を捨ててしまうことになるのです。
ー「保険は若いうちに加入したほうが有利だから」
と、言ってセールスしておきながら辞めさせられてるんです。
更に…
高い予定利率の保険に加入していた場合、転換することで予定利率が下がります。
保険料は予定利率が高いほど安くなり、予定利率が低くなるほど保険料は高くなります。「お宝保険」という文字を雑誌などでよく見かけますよね?これは、予定利率の高い保険のことです。
予定利率の推移を見て下さい。
予定利率の高い保険から予定利率の低い保険に転換するということは、高金利の定期預金を解約して低金利の定期預金に入ることと同じです。皆さんは5%の定期預金を1%の定期預金に預け替えますか?
過去に破綻した保険会社が数社あるのはご存知かと思いますが、「逆ザヤ」がひとつの大きな理由でした。この逆ザヤを少しでも解消するには保険会社からすると、予定利率の高い保険はできるだけ多くなくなって欲しいわけです。それが皆さんの元に「転換」のセールが来る理由のひとつです。最初はだいたい2、3年だったようです。では何故2、3年か?
会社にもよると思いますが、以前聞いたことのある話ですと、契約から2〜3年すると新担当者となり「要転換契約候補リスト」がセールスの元に回ってくるようです。この年数を超えて転換し、契約になるとセールスは”新規契約”としての成績となり”コミッション”が発生するからです。
転換の仕組みを知ったら、家族や知人にススメられないんじゃないか?
そう思った方いらっしゃいませんか?
常識的にはそうですよね、でもこれがまた上手いこと出来ています。
保険のセールスも非常に厳しい世界で、ほとんどがフルコミッションか、またはそれに近い給与体系になています。最近は大きく制度が変わりましたが、依然としてほぼフルコミッションであることに変わりありません。そのため、この業界の”平均寿命”は3年前後と言われています。つまり、新人で入社し、多くの人が「知人・友人・親・兄弟」の元へセールスに行き、契約してもらったものの、3年くらいすると業界を去っていく人がほとんどです。で、”担当変更”
新担当者にしてみれば引継いだお客さんは”アカの他人”
そもそも保険会社は新人教育で”転換”についてネガティブな情報を与えたりしないでしょうから、新担当者も”転換リスト”片手にピュアな気持ちで
「新しくこんな良い商品が発売されたんですよ」
なんて言えちゃうんでしょうね。
次はあなたの元に現れるかもしれません。ご注意を!!
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