「告知義務」「解除」「不告知教唆」とは?
今日は「告知義務」「解除」「不告知教唆」についてご説明したいと思います。
告知義務とは、被保険者が保険契約の申込に際して、告知書や生命保険会社の指定した医師などの質問(職業や最近の健康状態や過去の病歴など)に対して、事実をありのままに告げる義務のことで、これに反することを告知義務違反と言います。業界の人間は「告反(こくはん)」と言ってたりしています。これは生命保険が多数の人々が保険料を出し合う相互扶助の観点からも、健康状態の良くない人や危険度の高い職業に従事している人などが、そうではない人と同一の条件で契約すると保険料負担の公平性が保たれなくなるので、これらの不公平を回避するためのものです。告知義務違反があった場合は、契約が解除となり保険金・給付金が受取れないことがあります。
解除とは、契約者か保険会社が保険の契約を初めからなかったことと同じ状態にすることで、一般的には保険会社による解除のことを指し、契約者による解除のことは解約と言います。
この解除をすることができる権利を解除権と言い、契約が2年間有効に継続すれば、加入時に病気の事実を告げない等の告知義務違反を犯していても、保険会社は解除権を失うと約款に記されていますが、この条項を逆手にとって「嘘をついても2年経てば大丈夫」と思っている方が多いようです。
しかし、この条項には但し書きがあり、2年以内に保険金や給付金支払いの事由あるいは保険料免除事由が生じていると、たとえ2年経過後であっても保険会社は契約を解除できる旨が記されています。
また、告知義務違反による解除だけでなく、約款には「詐欺および不法取得目的による無効について」の条項もあります。詐欺により契約締結が行なわれたり、給付金を不法に取得する目的で契約締結されたと保険会社がみなした場合、期間にかかわりなく契約は無効になり、払込まれた保険料は戻ってきません。保険会社が悪質だとみなせば、この条項が適用になる可能性があります。
保険会社が契約を解除できないものとしては「不告知教唆」というものがあり、これは保険セールスが病気をもっているなどのお客さまに虚偽の告知をするよう促し告知を妨げたり、告知をしないことを勧めることです。
万が一、このようなお客さまに保険給付事由が発生した場合は「不告知教唆」によって保険会社は契約を解除できないだけでなく給付金の支払を行うケースが多いため、不告知教唆を行った保険セールスは賠償責任まで負うこともあります。
告知義務違反では保険は解除され、保険料も戻らず、保険会社に記録が残るというデメリットだけしかありません。
保険は大きな財産です、加入の際は皆さん正しく告知しましょう。
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