「役員退職金」で否認されないために
皆さんこんにちは「保険アドバイザー 和田」です。
今日は『「役員退職金」で否認されないために』についてお話したいと思います。
役員退職金は税務調査で問題になる争点の一つです。
多くの保険セールスやアドバイザーが全損や1/2損金の保険商品を使って節税しながら、出口で「役員退職金」として支給するセールストークをしていますが、その際にアドバイスするのが”金額の妥当性”についてです。一般的には
【最終役員報酬月額 × 役員在任期間 × 功績倍率】
とされていますが、それ以上に問題になるのが実は「分掌変更」と言われるものです。
中小企業の場合、社長が退職すると言っても会社に取締役会長などとして残り、後継者の相談に乗るというケースが多くあります。このような役員の職務内容などが大きく変わることを「分掌変更」と言い、「実質的に退職した」と見られる一定の場合に、退職金を支給することが認められています。この「実質的に退職しているか」どうかが問題になるわけですが、その判断基準は以下のようにみるとしています。
1)常勤役員であった者が非常勤役員になったこと
2)取締役から監査役になったこと
3)分掌変更前と分掌変更後の報酬を比較して概ね50%以上減少していること
これらのような重大な変更があると、単なる従前の勤務関係の延長とは見られないとされています。
気をつけて頂く点として、国税は”非常に肩書きにこだわる”ということが挙げられ、職務内容が大きく変わっているのに「肩書きが変わっていない」ために退職していないとして役員退職金を否認し、国税が敗訴した例があります。本来の「実質的」に退職したかどうかが判断基準にも関わらず、「形式的」な肩書きに基づいて課税しようとしたわけですね。
ただ、依然として税務調査では”肩書き”に神経質のようですから、理事長、代表取締役などの”肩書き”は変えておいた方がベターのようです。
ある意味”さすがお役所”といったところでしょうか。
わからないことはお気軽にご連絡下さい。
直接相談
こちらは直接、弊社保険アドバイザーへ無料で質問できるフォームとなっています。外資系生命保険会社出身の優秀なコンサルタントが一つ一つお答えしていきます。
関連記事
-
保険セールスから「保険に入らないほうが良い」という選択肢を提案されていますか?
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日のテーマは「そもそも保険加入の必要性がない」という
-
米国生命保険研修「インフレヘッジをしないファイナンシャルプランニングはNG」
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日は、先日参加してきた米国生命保険の半日研修について
-
「学資資金や老後資金に”米ドル”で準備なんて、為替リスクが・・・」と言う人へ
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日は、『「学資資金や老後資金に”米ドル”で準備なんて
-
すべての契約者が”被害者”なんだろうか?と思うことも時々あったりするんですよねぇ@「かんぽ生命」の問題から
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日は『すべての契約者が”被害者”なんだろうか?と思う
-
「慶應」に通わせるといくらかかる?
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。昨日、販売終了になるソニー生命の「学資保険」のお話で
-
多くの日本人は投機であって、投資をしていない?
皆さんこんにちは、保険アドバイザーの野村です。もう6月ですね。一年このままあっという間に終わってしま
-
どうする?アドバイザー選び@「独立系金融アドバイザーは玉石混交」7月19日〈日本経済新聞〉
皆さんこんにちは「保険アドバイザー 和田」です。今日は『どうする?アドバイザー選び@「独立系金融アド
-
法人保険「名義変更プラン」に関する憶測
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日は『法人保険「名義変更プラン」に関する憶測』につい
-
このブログの読者は「老後破綻(破産)」しちゃいけない
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日は「老後破綻(破産)」に関するお話をしたいと思い
-
一括で払ってしまった保険でも見直した方が良い
皆さんこんにちは「保険アドバイザー和田」です。今日は「一括で払ってしまった保険でも見直した方が良い」